10月某日、訪れたのは京阪電車の京橋駅。
枚方で電車に乗る時は雨降ってたのに、京橋ついたら晴れてましたね。ラッキー!

せっかく傘持ってきたのに意味なかったなぁ。
あっ。
どうしたん…ってあれ?サトゥル、傘は?

傘、電車に忘れてきました…!
うわ、やらかしてるやん!
やっちまったなー!

…みたいなこと、経験ありますよね。
あるある。傘ならまだしも、僕は財布落としたこともあります(泣)
そんな時にお世話になるのが、各鉄道会社のお忘れ物センター。今回は、京阪電車のお忘れ物センターを取材しますよー!
パイン@ひらつー主に広告記事やひらつーはんを担当。
立ち去る時は忘れ物がないか絶対確認するが、それでもなぜか忘れ物をしちゃう派。
サトゥル@ひらつー主に広告記事やLINEを担当。
家を出る直前まではちゃんと覚えていたのに、結局忘れ物をしちゃう派。

確かこの京橋駅の片町口の改札を出て、左にあったはず。
アンスリーを横切った奥ですね。
こんにちは〜お邪魔しま〜す!
というわけで、会議室に案内していただきました。

お話を聞かせて下さったのはこちらのお二人。
左が京橋駅の樋富(ひとみ)駅長、右がお忘れ物センターの高山さん。

今日はよろしくお願いします!
京阪電車各駅の忘れ物がここに集められてくるんですか?
そうです。毎朝、前日のお忘れ物が京阪線各駅からこのお忘れ物センターに送られてきます。
なので、お忘れ物センターの1日は送られてきたお忘れ物の仕分け作業から始まります。午前中はだいたいそれに追われてしまいますね。
だからチラシには「昨日のお忘れ物は12時以降に取りに来てください」と書いてあるんですよ。朝に来ていただいても、まだお忘れ物がここに届いていない場合もあるので。
まず、京阪線では中之島線、京阪本線、交野線、宇治線、男山ケーブルでの全ての忘れ物を、全駅共通のデータで管理してます。なので、例えば枚方市駅の構内で忘れ物をして、交野市駅で気付いた場合でも交野市駅の係員に声をかけていただければ、「乗務員に確認させますね」「それはいま枚方市駅に保管されています」とお客様にご案内することが可能です。(※大津線に関してはシステムが違うので、大津線内の駅に電話していただく必要があります)

ただ、電車の中にお忘れ物をされた場合、降りたのは枚方市駅でも電車はすでに枚方市駅を出発していることがほとんどです。その場合は、すぐに見つけるということが難しいこともありますね。
基本的には、駅の中で気付いたならその駅の係員さんに言うってことですね。
その日のお忘れ物は見つかった駅に保管されているので、見つかった駅に取りに行っていただくことになります。当日でない場合は、お忘れ物センターに問い合わせていただければと。
忘れ物に気付いた時ってパニックになって、何をしたら良いのかわからなくなっちゃいますよね(笑)

注意点としては、当日のお忘れ物はお忘れ物センターに届かないということですね。
焦って「今日忘れたんですけど、忘れ物届いてます?」とお電話をいただいたり、センターに駆け込んで来られる方がいらっしゃるんですが、当日分に関しては京橋駅で見つかったものしかないので、ここで出来るのはデータをお調べするぐらいなんです。
たしかに「忘れ物したらすぐセンターに行かなきゃ!」って思ってしまいそうです。
まとめるとこういうことですね!
【問い合わせ先】
▷駅の中で気付いた場合
忘れた駅じゃなくてもいいので、駅の窓口へ。
▷駅を出てから気付いた場合
お忘れ物センターにお電話を。
(TEL:06-6353-2431)
【取りに行く場所】
▷当日
忘れ物が発見された各駅の窓口へ。
▷翌日12時以降
お忘れ物センターへ。
しかし前日の忘れ物の仕分けで午前中いっぱいかかるって、すごい量が送られてくるんですね。
今日なんか雨降ってたでしょ?明日には傘だけで200本ぐらい来ると思います。
200本!(笑)
最高記録は何本なんですか?
私が覚えている中では、600本ですね。
最高600本!!(笑)
(イメージです。だいたいこの30倍ぐらいの量。)
その時はすごかったですね。傘1本ずつに番号をつけて15本ずつ縛っていったんですが、腱鞘炎になるかと思いました(笑)
雨の日の翌日は、傘もいれてだいたい300点ぐらいにはなりますね。
その忘れ物は各駅からどうやって運ばれてくるんですか?
専用のかばんにいれて、電車に乗る車掌が運んでいます。「この駅の忘れ物は◯時に京橋駅に着く電車で運ばれてくる」というのが決まっているんですよ。
多い時は1つの麻袋に100本ぐらい傘が入ってるので、運ぶだけでも一苦労なんです。
全部忘れ物やけどな(笑)
そういえば僕、忘れ物ランキングもお聞きしてみたかったんです。みんな何を忘れちゃうのかなって。
正確なランキングはわからないんですが、やっぱり1位は傘ですね。持ち主を特定するのも至難のわざです。

たしかに!黒いお傘を忘れましたって言われても、黒の傘どんだけあるねんっていう話ですもんね(笑)
女性用の黒の日傘とかね、「特徴はなんですか?」と聞くと「レースがついてます」という返答が来ることがありまして。どれもレースついてるけどどうしよかなと困ることがあります(笑)
花柄だったり、ブランドものの傘やったらわかりやすいんですけど…。傘は毎日持ってるものじゃありませんから、どうしても忘れてしまうんでしょうね。
あ、ランキングと言えばもう1つ。どの駅が一番忘れ物が多いですか?
やっぱり乗降客数が多いのが要因でしょうね。あと枚方市駅も、交野線の終端駅ですので。
なるほどなるほど。
あと興味深いのが、枚方市駅のお忘れ物は他の駅より現金の割合が多いんですよ。
え、なんでですか?(笑)
理由は我々にもわからないんですよ…。今日でも15個ぐらい現金ありましたよ。
えーーーー!(笑)
現金っていうのは財布とかも含めてですか?
丹波橋駅や中書島駅も結構現金の忘れ物が多いんですけど、やっぱり枚方市駅は多い。不思議な駅なんですよ。
あと、枚方市の人は優しいですね。
どういう意味ですか?
お忘れ物は駅の係員が見つけることも多いんですが、枚方市駅はお客様が拾得される割合が多いんです。要は、お客様が拾って係員のところに持ってきて下さるということですね。
そうなんですね。これは素直に喜べます!

(優しい市民が多いと判明した枚方市の様子)
枚方市民は優しい!
ということは、枚方市駅は1日10万人ぐらいが利用するので、単純計算で1日あたり3000人に1人の確率で忘れ物をしている計算になりますね。
その計算、単純すぎん?(笑)
じゃあ雨じゃない日はどういった忘れ物が多いんですか?
季節によって変わってきますね。夏はハンカチやタオル、帽子がものすごく多くて、冬は手袋とかマフラーでいっぱいになるんです。

(特に関係のない、2年前に販売されていたひらかたパーク×タワーレコードのコラボグッズ。懐かしい)
そうそう、手袋のお忘れ物は片手が多いんですよ。
わかった!たぶんスマホを触りたいから片手だけ外すんや!(笑)
絶対それですね(笑)
例えばコンサートで買ったタオルなどは結構お問い合わせがあるんですが、ハンカチなどは取りに来られない方が多いです。
どこに忘れたかもわからず、諦めてしまう人も多そうですね。
時代の流れで考えてみると、やっぱり最近はスマートフォンやタブレットなどのお忘れ物が増えたなと感じますね。
あー、スマホはするっとズボンのポケットから出ちゃったりしますもんね。
忘れ物が持ち主の手に返される数って、忘れ物全体の何%ぐらいなんですか?
だいたい8分の1ぐらいなので、全体の12%ぐらいですね。
想像以上に少ない…!
我々としてはお忘れ物がお客様のもとに無事に戻るのが一番嬉しいことです。なので、もっと取りに来ていただきたいですね。

貴重品以外のお忘れ物であれば、お客様のお住まいの最寄駅までお送りすることが可能です。また、着払いでもよろしければご自宅まで宅配で送ることもできます。
そんなことまでしていただけるんですか!!
夕方になると、朝届いて空になった専用のかばんを、今度は各駅に送り返すんですよ。その時にいっしょに送ることになります。なので、お昼すぎごろまでにお問い合わせいただければ、夕方には最寄駅に届けることが可能です。
それは知らなかった!めっちゃありがたいです。
「もし届いてたとしても、京橋駅のお忘れ物センターまで取りに行くのめんどうやし諦めよう」って考える人もいると思うので、この仕組みはぜひみなさんに知ってもらいたい!
ただ、確実にお客様のものだとわかるものだけをお届けしているので、そこはご理解いただきたいです。例えば名前が書いてあるとか。
最寄駅まで届けたものの、実物を見たら「これじゃないです」となって、ここに返ってくるケースもあるんですね。もしその間に本当の持ち主が取りに来られた場合、入れ違いになってしまうこともあるので。
大人になるとあまり意識しなくなっちゃいますが、持ち物に名前を書くことってけっこう大事なんですね。
そうですね。
これは別の係員から聞いた話なんですが、ある日「黒い傘を忘れた」とお客様からお電話があったんですね。もちろん黒い傘は何本も届いていたので、特徴をお聞きして4〜5本に絞り、お客様に見に来ていただくようお願いしたんです。しばらくすると見に来られて、傘を見た瞬間に「あ!この傘です〜!」って泣き出されたんです。亡くなったご主人の傘を使っておられたそうで。
1日に何本も届く傘からそういうエピソードが生まれることもあるんですね。
その話を聞いた時、傘1本でも大事に扱わなくちゃだめだなとあらためて感じましたね。
そういえば忘れ物ってどれぐらいの期間保管してもらえるんですか?
お忘れ物センターでは、4日ぐらいですね。そのあとは警察に移管して、警察では3ヶ月ほど預かってもらえます。
警察に移管した後も調べていただけるんですか?
可能です。データが見つかればお客様に遺失物請求書をお渡しするので、それを持って警察署に行っていただく形になります。取りに行く前に警察署に電話して、請求書の番号をあらかじめ伝えておけばスムーズに受け取っていただけるかと。
私たちの仕事は、お客様にできるだけご利用いただきたくないサービスです。お客様が忘れないことが一番のサービスと思ってます。
ですが、もし忘れ物をしてしまった時は、ご遠慮なくお電話して下さい。できる限り探させてもらいます。
お忘れ物センターに携わってる者って結構職人肌と言いますか。専門的なことなので、ずっとここに勤めているとツボをわかってくるんでしょうね。お忘れ物の特定に関して高いスキルを持った者が何人もいます。
プロフェッショナルがいらっしゃるんですね。
これは忘れ物が見つかりやすくなるためのお願いなのですが、毎日のように電車をご利用いただいている方は、普段何両目の車両に乗っているのかを覚えておいていただけるとありがたいです。
なるほど!何号車で発見されたのかも重要な情報なんですね。
お忘れ物をされた直後でしたら、駅に停車しているスキに係員が探しに行くことができる時もあります。なので「枚方市駅を◯時◯分に発車した〇〇行きの◯両目です」などと教えていただけると非常にスムーズに探せるんです。
もしもの時のために、今度確認しておきます!
〜取材終了後〜
いや〜貴重な話をいっぱい聞けましたね。
本来忘れ物をしたこっちが悪いのに、あんなに丁寧に対応してもらえるなんてありがたいよな。

さっき集合写真撮った時に置いてそのままやったわ。
まさか…!今世界で一番忘れ物しちゃいけないのはたぶん僕らですよ。

油断は禁物やでっていうのをみなさんにお伝えできるやん。
ごまかしよった。
というわけでみなさん、
忘れ物には気をつけましょうね〜!
まだ読んでいない方は、ぜひ
・お忘れ物のお問い合わせ(公式サイト)
























