最近出版された「枚方の歴史」って本のコラムがアツい。幕末の少年兵が45年後に再び楠葉の久修園院に現れた理由とは

先月、枚方に関するおもしろい本が出版されました。

↓こちら
枚方の歴史01

「枚方の歴史」。

瀬川芳則、西田敏秀、馬部隆弘、常松隆嗣、東秀幸という人たちによる共著です。

出版元の松籟社からひらつーに献本していただきました。ありがとうございます。おもしろいから記事にしようと思いながらも、急ぐ必要もないと思ってデスクに置いてたら1ヶ月たってしまいました。

で、中身なんですが、とても読みやすいです。ひらつーの「きょうは何の日」が好きだという方にオススメ。

カズマ@ひらつーが特におもしろいなと思ったのが、章の間にある「コラム」。これがアツいです。

例えば…

久修園院に残る「遺骨の受取書」

幕末、楠葉中之芝の久修園院で幕府軍として戊辰戦争を戦った2人の少年兵が、45年後に政府の高官となって再び久修園院に現れた理由とは…?

まるでドラマみたいな話でした。

神風連の乱で散った寺内町創始者の末裔

招提の町を作った小篠家と片岡家のおはなし。

象がやってきた!

江戸時代、八代将軍徳川吉宗の注文によってベトナムからやってきた象が、長崎から江戸へ移動する途中に枚方宿を通ったときの話。

読みたくなりませんか?アツいとか煽っておきながら中身は最後まで紹介しません(笑)。手にとって読んでみてください。

ちなみに枚方の歴史書といえば枚方市が出版してる「枚方市史」というものがあるんですが、

枚方市史01

全13巻(本文編は5巻まで)もあって、しかも1冊3千円とか4千円とかするので高いんです。さらに出版されてから年月が経ってるので今では内容がおかしいところもあるとか。

それに対して今回の「枚方の歴史」は1冊にまとまっていて2千円と、一般的な書籍と比較すると高めですが、こういう狭いテーマの書籍であることと内容から考えたら安いんじゃないでしょうか。

↓目次

はじめに

第1章 枚方のあけぼの
1 旧石器・縄文
 土器以前の枚方~炉跡があった藤阪宮山遺跡/山間の遺跡と海辺の遺跡
2 弥生
 弥生のムラの景観と稲作民の暮らし/高地性集落/群をなす方形周溝墓と王の墓の出現
 コラム:考古学の先覚者三浦蘭阪

第2章 いにしえの風景
1 古墳時代
 九州・山陽・東海にも同笵鏡もつ万年寺山古墳/牧野車塚古墳とその周辺/渡来人の足跡を求めて
2 飛鳥から奈良時代
 古墳づくりから寺づくりへ/瓦博士と四天王寺の瓦窯/ベールをぬぐ九頭神廃寺/特別史跡百済寺跡と百済王氏の繁栄/船橋遺跡と片野津
 コラム:幻の寺跡

第3章 記紀などに見る枚方
1 古代の伝承地
 王仁博士/継体天皇樟葉宮跡伝承地/蝦夷王阿弖流為
2 要衝の地、枚方
 楠葉の渡と楠葉の駅/行基と枚方/交野郊祀壇/渚院と惟喬親王/仁明天皇外祖母田口氏の墓/楠葉御牧の土器つくり
 コラム:枚方の漢人

第4章 戦乱の枚方
1 津田城・氷室・椿井文書
 津田城の構造/津田山山論/津田城の実像/「津田城」対「氷室」/並河誠所・三浦蘭阪・椿井政隆/椿井文書の幻惑と枚方の地域性
2 楠葉から枚方へ
 戦国時代の枚方をみる視点/楠葉の歴史的位置/自立する石清水八幡宮の神人/楠葉における文明の乱とその激化/神人の南進
3 牧・交野一揆と織田政権
 交野郡の地域構造/私部郷の神人/招提寺内町の建設と牧・交野一揆/織田政権下の交野郡/河内における「神君伊賀越え」
 コラム:神風連の乱で散った寺内町創始者の末裔

第5章 町のくらし――宿場町枚方の発展
1 枚方の原風景
 『名所図会』のなかの枚方/大坂代官竹垣直道の日記
2 枚方宿の成立と発展
 枚方宿の運営/枚方宿に暮らす人々/宿の発展と飯盛女/枚方宿と助郷村
3 枚方地域の交通
 枚方市域を通る街道/淀川の舟運/枚方名物くらわんか船/『東海道中膝栗毛』に見るくらわんか船
 コラム:京街道・枚方宿と徳川家174

第6章 村のくらし
1 村の成り立ち
 複雑な所領配置/村の成長/庄屋と百姓/村野村の村方騒動/養父村の村方騒動
2 農業の発展と人々のくらし
 河内のすがた/商品作物生産/家の相続/家と村の様子/ライフサイクル
3 産業の発達
 商工業の様子/酒造業/絞油業/江戸時代の素麺業/明治以降の素麺業/炮烙の生産
4 村の文化
 村人の娯楽/文化人の輩出
 コラム:象がやってきた!!

第7章 幕末の世情と枚方の人々
1 天保の改革と領主財政の窮乏
 天保の飢饉と天保の改革/領主の窮乏と「もの言う百姓」
2 村の変容と大塩平八郎の乱
 地主の経営/小作人の生活/大塩の乱と深尾才次郎
3 開国から維新へ
 幕末の動乱/楠葉台場の設置過程/楠葉台場の構造と鳥羽・伏見の合戦/村々の負担/明治維新
 コラム:久修園院に残る「遺骨の受取書」

第8章 近代化の時代
1 新しい制度の導入と展開
 行政区画の変遷/村人が感じた変化/戸籍と徴兵/地租改正/教育制度の変遷/いろいろな教育機関/四條畷中学校と枚方
2 農業の発展と社会生活
 農業の振興策/木綿と茶の生産/小作争議の頻発/明治十八年の大洪水と淀川改修/伝染病の流行と衛生行政
3 交通網の整備と発展
 蒸気船の就航/関西鉄道の開通/京阪電車の開通/道路網の整備
 コラム:枚方と菊人形の歴史264

第9章 戦争の時代と枚方
1 産業の発展と社会生活
 蝶矢シャツと倉敷紡績の工場進出/小作争議の激化/町村合併
2 軍事施設の整備
 禁野火薬庫の完成/禁野火薬庫の爆発/火薬庫で働いた人々/枚方製造所と香里製造所の建設
3 戦争と住民生活
 町内会と隣組の制度化/配給制度の拡大/戦時下の学校/空襲と枚方
 コラム:戦時下の「ひらかた遊園」

第10章 枚方市の誕生と戦後復興
1 市制施行と地方自治
 戦後改革/地方自治の浸透/枚方市の誕生
2 教育の民主化
 教育改革/男女共学の実施/枚方市立中学校の場合/大阪市立高校の場合/市立保育所の整備
3 社会情勢の変化
 枚方遊郭の転換/枚方事件の発生
 コラム:京阪電鉄のテレビカーと枚方のテレビ普及率

第11章 高度成長と都市化
1 枚方市と津田町との合併
 昭和の大合併/津田町との合併/財政再建団体への指定
2 日本住宅公団の団地建設
 公団住宅の建設/香里団地の造成/宅地分譲/香里団地の完工式/団地に住む女性の一日/変化した風景
3 京阪電鉄の沿線開発
 くずはローズタウン/くずはモール街
4 工業化と公害問題
 企業団地の造成/深刻な公害問題/中宮地区の場合/磯島地区の場合/国道一号線蹉交差点での調査
 コラム:「ふるさと創生」事業~『鋳物師はんべえ奮戦記』~

第12章 都市整備と再開発
1 京阪枚方市駅とその周辺整備
 枚方市駅前の再開発/枚方市駅連続立体交差事業
2 学研都市と枚方
 関西文化学術研究都市/津田サイエンスヒルズ
3 生涯学習と学校教育
 枚方テーゼ/図書館の整備/枚方市立図書館の開館/保育所と幼稚園の建設/小中学校の整備と再編統合/大阪府立枚方高校の開校/地元高校集中受験運動/府立高校の再編
4 戦後の菊人形文化
 ひらかた大菊人形の終了/菊文化の継承
 コラム:登録有形文化財と近代化遺産~大阪歯科大学牧野学舎~

枚方市駅前のTSUTAYAや野村呼文堂で売ってるのは確認しました。東改札口前の「ひらかた観光ステーション」でも売ってるそうです。地元についての本だけに、できるだけネットより枚方の本屋さんで買いましょうね!

お店に行けない人は通販で買うしかないですが、アマゾンとか楽天とかは取り寄せになってましたが出版元の松籟社のホームページで注文しても送料無料って書いてましたよー。

と言いつつ、ひらつーは献本してもらったので買ってないんですけどね。役得ざます。


※「はなこ」さん、「通りすがり」さん、「斉藤歯科の松尾です」さん、情報ありがとうございました!
■■■情報提供求む!■■■
ライター:カズマ カズマ

カテゴリ : 話題 歴史

この記事へのコメント

14. ftisland   2014年07月27日 15:37
4 >10,11 ぷれむさん、
中学1年のftislandです。
僕も一番興味深いと思ったのが、その馬部隆弘さんの「椿井文書の幻惑と枚方の地域性」というところです。
最初は、「こいつ、枚方の歴史を否定しまくりやがってコノヤロー」と思っていたのですが、何度も読んでいると、馬部さんの、「確実な証拠にこだわる」という考えがよくわかってきました。
ただ、これまで、王仁博士や、枚方城や、七夕伝説を、枚方の自慢として誇りに思っていたので少し残念です。でも、僕は歴史には偽りはあっては鳴らないと思うので、これはこれで受け止めたいと思っています。
今度、馬部隆弘さんの文を他にも読んで見たいと思っています。
13. ぷれむ   2014年07月05日 17:55
 さらに「くらわんか船」は大阪夏の陣で真田幸村の軍勢に追われた家康を一漁師が助けた功で幕府から「餅くらわんか、酒くらわんか」と河内弁丸出しで不躾に売る手法による独占営業を許されたという伝説の嘘は、169頁から。
 現在は枚方名物と信じられている「くらわんか船」は、もとは対岸の柱本(現高槻市)で発生したものだった。しかし天の川洪水の際に公用飛脚に便宜をはかったことから枚方にも営業が認められ、次第にその数を増やしていった。そのため柱本とは激しい権益争いが繰り返された。幕府はバランスをとるために何度か介入したが、枚方はそれを無視。やがて、幕末にはくらわんか船といえば枚方と信じられるに至った。
 この両岸の利権争い、および枚方のあつかましさは、現代にも尾を引いていないかは、しっかりと検証する必要のある問題のひとつである。
12. ぷれむ   2014年07月05日 17:41
 また氷室に氷室があったというのが捏造だというのも興味深い。108頁から111頁を読まれたい。その本質をずばり「利権が絡んだ争いを背景としているため、互いに積極的に伝説を主張することとなり、ありもしない伝説が定着をみたのであった」と踏み込んで言うのは、現在の枚方市を考えるためにこそ、歴史を検証するという意味で、本来の歴史学習の意義を尽くしたものだと言えよう。素晴らしい本である。
11. ぷれむ   2014年06月26日 01:39
(2)少し歴史に興味のある者なら、この部分は枚方市中央図書館市史資料室の馬部隆弘氏の手になるものであることが、わかる。
 これらの点についてさらに歴史学として厳密に検証したい方は、巻末の参考文献一覧の中、376頁から並んでいる馬部氏の諸論文にあたってみるといいであろう。
 特に「蝦夷の首長アテルイと枚方市ー官民一体となった史蹟の捏造ー」などはお薦めの論文である。
 すべて中央図書館にあるが普通の図書館員はよう見つけないこともある。そんな場合は直接市史資料室に行き、馬部さんにこれが読みたいといえば、書庫の中から、たちどころにして論文を取り出してきてくださることであろう。
10. ぷれむ   2014年06月26日 01:29
 (1)僕がこの本で一番興味深かったのは、114頁-118頁「椿井文書の幻惑と枚方の地域性」という部分である。
 ここには椿井文書というよくできた偽書によっていかに枚方の歴史が捏造されてきたかが簡単に解説されている。(王仁塚、アテルイ塚など。)
 そのまとめの部分にはこうある。「こうした歴史の改竄は、科学的な現代歴史学の範疇で捉えようとすると、負の側面しか見いだせない。ただ、その活動の前提として一定程度の知識は必要であるし、それを蓄積するには金銭的・時間的余裕がなければならない。(中略)それを背景として、この地域では利益獲得や宣伝のためには手段を選ばないというしたたかな気質が、伝統的に培われてきたのである。」
 現在の談合の街、枚方の歴史的起源を語ってあまりある。
9. 通りすがり   2013年06月25日 11:21
「郷土枚方の歴史」は家に置いてあります。著者の一人が知人のお父上だったなぁと。
8. 伊加賀っこ   2013年06月25日 08:26
郷土枚方の歴史まだ実家あるかも(^0^;
7. 枚方野郎   2013年06月24日 22:36
市駅のTSUTAYAでは看板が出てますね

買います!!
6. たかさん   2013年06月24日 00:46
枚方市駅の野村呼文堂で見かけて気になってました。ひらつーで紹介されるといよいよほしくなり、地元枚方公園の水嶋書房で買ってきました。ゆっくり楽しみたいと思います。
5. かやこ   2013年06月22日 22:55
おぉぉぉおおお!!!(((o(*゚▽゚*)o)))
アツイ!!是非読みます!!
4. カズマ@ひらつー   2013年06月22日 01:06
おおっと、修正しました!ありがとうございます!

淀屋橋やったら通勤途中に目に入って買ってる人もいそうですね~^^

郷土枚方の歴史…、僕も配られた記憶があります^^
3. えんどうまめ   2013年06月22日 00:51
>地元についての本だけに、できるだけネットより枚方の本屋さんで書いましょうね!

なんか変なのですが…
2. もりかげ   2013年06月21日 23:46
5 買いに行きたいです。近所なら野村呼文堂までひとっ走りします。けど遠い……。
自分が小学生だった時、副教材で「郷土枚方の歴史」という本が配られてたのを思いだしました。
1. だーやま   2013年06月21日 22:52
そういえばちょっと前に淀屋橋のブックファーストの表の棚に陳列されてました(^^)