ひらつーの「今週のひらかた」最下部で掲載しているコーナー『今週のセッション』のまとめです。

2023年11月ごろから、「枚方まつり」「寝屋川まつり」に出るのを目標に、2週に1回バンド練習&このコーナー「今週のセッション」を続けています。バンドを組んだことがない、なんなら楽器未経験もいる3人によるバンド。
今回はその「今週のセッション」をまとめて読みやすくした記事です。以前まとめたぼしひこくんの4コマ的な感じですね。
「今週のセッション」の内容は自称小説ですがエッセイ風味だったり、日記だったり、レポだったり。リレー形式でお届けしています。
いつか祭に出た時に、こんなバックグラウンドが…!?とかこいつこんな性格なのか!とか、ちょっとバンドの解像度があがるので、お時間ある方はぜひぜひ。普段のですます調ではなくだある調で違和感すごいですよ!(どうでもいい)
なお最新43話まで読んでもらった人はわかると思うんですが、大ピンチです(笑)
現在我々は、枚方まつり当日だけでも手伝ってくれるドラマーを募集しております。なにとぞ!
ではでは本編へ〜!
主な登場人物
ゆうぽん
→バンドのギターボーカル。普段はねやつーやもりかどを主体に、ひらつーでも色々活動している。バンド結成前からギターを練習してひける人。
すどん
→バンドのベース。普段はひらつーを主に活動している、ごはん担当。ベースは持ってたけど弾けない。
コマキ
→バンドのドラム。普段はひらつーやねやつーのひとこと記事を担当している。ドラムやったことない。
3人はほぼ同級生(すどんだけ学年が1つ上。でも2月生まれ)
第1話 ハゲデブの場合(すどん)
ベースを持っている。
正確にいうとベースを実家に置いている、なのだけども僕はベースを持っている。
だけど理由は忘れた。人生における暗黒時代である、20代前半の時に購入したような気がする。
元々ロックが好きな自分のことだ。きっと何かを表現したかったんだろうが、それも大した気持ちじゃなかったからなのか、35歳になった今では何1つ、ベースを持っている理由が思い出せない。
ベースを持っていたこと自体を忘れかけていた頃に、同僚のゆうぽんがギターをひけることを知った。しかも上手。ジャカジャカジャンジャンかき鳴らしていて、かつてFコードで断念した壁の先を見た。
その時ちゃらんぽらんな僕は、ノリで言った。ノリ100%で言った。
「バンドやろうぜ」
そこからゆうぽんに「はよベース」と詰められる日々が始まった――。

まずはベースを実家に取りに帰ることだ。どうにもこうにもそのやる気が起こらなくて、「バンドやろうぜ」と言った3ヶ月後に取りに帰った。取りに帰ったことで満足した。
次はベースをケースから取り出すことだ。どうにもこうにもやる気が起こらなくて、ケースから取り出さないままベースを職場に放置した。ベースを職場に持ってきたことで満足していた。
日々ゆうぽんに詰められながらも、ベースがあるだけでなんだか満足していた。君がいるだけで心が強くなれる歌みたいなものだった。
そんな満足デイの中、職場体験として高校生を数名受け持つことになった。キラキラしていた。眩しかった。若さに焼かれた。いろんな表現があるものの、僕はとにかく創作意欲をそそられた。そこでようやくハゲデブはベースをケースから取り出すことにした。ゆうぽんに詰められつづけて、半年近く経っていた。ゆうぽんには「口だけ男」認定されていた。
仕事中に、職場でベースを引いてみた。みんなはうるさそうな顔をしていたけど、僕はそれどころじゃなかった。
「指が以前よりもスムーズに動く!」
そう、この10年以上の時の流れの中、パソコンでタイピングする仕事をし続けていた僕は、手先がちょっとだけ器用になっていた。仕事中、僕はベースを引きながら感動していた。みんなはうるさそうな顔をしていた。でも嬉しかった。
そこからは早かった。バンドメンバーとして色んな人を勧誘した。その結果、ギターゆうぽん・ドラムコマキ体制が整った。実家に置いていたエフェクターやバンドスコアも取りに帰った。以前では考えられないスピードで物事は進んだ。毎日楽しく練習し、僕は35にして日々、成長を実感していたのだ。停滞していた人生が動き出した気がしていた。ロック好きとして生きてきて、ここでようやく憧れに近づけた。
みんなにはナメられながらも練習を繰り返して1ヶ月が過ぎた頃、ついにあの日、バンドメンバー3人の初セッションの日がやってきて……
【小ネタ】ちなみに正式スタート時は2023年11月ごろ。もう2年近くやってんだなーと。
第2話 3度の飯よりお菓子好き女の場合(コマキ)
「バンドやろうぜ」
という、ノリ100%のすどんの言葉。どうせ言ってるだけやろうなと思っていた――。
ある日、取材ですどんと居酒屋で話をしていた私、コマキ。楽器の話になった。すどんがベースを持っていることもゆうぽんがギターを弾けることも知っていた。2人でセッションでもするのかな、なんて思っていた。
昔からドラムできたらすごいよな、ドラムできる自分ってカッコいいよな、と思っていた時期もあった。そう、私にもそんな時期があったのだ。
その奥底に沈んでいた若かりし頃の気持ちがこの時に湧き上がってきた。
「ドラム、やってみたいかも」
そこからあれよあれよと話が進み、ベースすどん・ギターゆうぽんという体制が整い、バンドを組むことに。
ドラムなんてやったこともない。そもそもドラムを持っていない。そんな中、バンドメンバー3人の初セッションの日を迎えることになる…
第3話 クソデカメガネ・ゆうぽんの場合(ゆうぽん)
「趣味はなんですか?」と聞かれたら、躊躇なく『アコースティックギター』だと言えるくらいにはギターを弾いている。
思い返すと、ギターを始めたきっかけは単純明快だった。そう、あいみょんに憧れたことだ。
もちろん、憧れる以前から彼女の存在や曲は知っていた。知っていたというより、新譜は必ずサブスクで聴いていたし、どちらかと言うとライトなファンだと言っても過言ではなかった。
そんなある日、YouTubeで偶然、彼女のライブ映像を初めて見た。そのライブは所謂、弾き語り形式。何万人といる観客をギター1本と、自らの歌声のみで魅了するその姿に心震えた。
「カッコいい」――その一言に尽きた。
その時からギターを始めた。誰かに披露したいだとか、ステージに立ちたいという思いではなく、頭にこびりついた、あの、あいみょんのイメージを純粋に再現してみたかったのだ。

そして、月日が過ぎた。決して上手とは言えないが、理想のイメージを自分で再現するための、ある程度の演奏ができるようになり満足しかけていた、そんなある日。編集部のすどんがこう言った。
「バンドやろうぜ」
どうせノリで言っているだけだろうなとは思っていた。いや、今でも50%くらいそう思っている。
何しろ彼は、当編集部、いや、弊社きってのテキトー男だ。テキトー代表と言っても過言ではない。編集部最年少のリナティにも「すどんさんの『イケる』はもう信用しません」とまで言わしめるほどだ。
ただ彼の名誉のために申し添えておくと、発言がテキトーなのであって、やることは編集長らしくキチンとしている。あくまで「ノリで喋る」、ということだ。
そんな理由から、最初は信用していなかった。しかし、時間はかかったものの、彼は実際に準備を始めた。実家に捨て置かれた古びたベースを持ち帰り、メンテナンスし、練習を始めるに至ったのだ。
そして、未経験ながら、ドラムへのほとばしる熱い情熱を内に秘めるコマキ。彼女を含めて、3ピースバンドの結成が発表されたのだった。
それぞれの思いを秘め、バンドメンバー3人の初セッションが行われることに。あの運命の日を迎えることになる……。
【小ネタ】なんかそんなにフォロー入れられると、テキトーさに真実味が増すよね。
第4話 はじめてのセッション(すどん)

「それは違うよ!」
ダンガンロンパでしか聞いたことがない、荒ぶった声。そして少し後に訪れる静寂。気まずい空気。ただただ3人で音合わせをしていただけなのに、なぜこうなったのか――話は少し前に遡る。
その日は待ちに待った、枚方・寝屋川つーしんスタッフ3人による、初めてのセッションの日。
ドラム担当のコマキがまだドラムを買う気すらないというトラブルがあったものの、ギターが上手なゆうぽん、ベースをなんとか弾くすどん、二人の本気さを演奏から判断しようと見守るコマキ、という体勢でセッションをすすめていた。

実際に音をあわせてみると、リズムがズレてしまうことがわかったり、初めてバンドを組むメンバーたちなりの発見などがあり、有意義な時間であることは間違いなかった。
最終目標は枚方・寝屋川まつりに出演すること――そこを改めて確認し、課題曲を各自3曲決めようという話になり……結果としてそこでメンバー各々の不満が溜まっていく。
「みんなが知ってる歌がいい」
「自分が好きな歌にしたい」
「懐かしい歌とかどうだろう」
課題曲決めは暗礁に乗り上げた。3人は音楽性の違いが大きかった。バンドの解散理由でよく見るやつだ。一度決めた曲を、そのあとの曲との流れを考えてやめたりもした。
妥協につぐ妥協――大人とは妥協ができる人種のことだ。最終的に着地した課題曲は、なんだかんだで全員が納得できる素晴らしい曲たちをチョイスすることができた。
そんな中、すどんが言った。
「この曲構成だと……
指揮者がほしい」
「え?」
「必要ない」
「何いってんの」
「頭おかしい」
否定の言葉が続いたその時、机を叩く音が鳴り響いた。

「それは違うよ!」

「面白みが足らないよ!」

「普通に普通の曲を演奏してどうするんだよ!!」
夜はゆっくり、だけど確実に更けていく。この日のセッションは、課題を残したまま終わった――。
【小ネタ】この気持ちはまだ捨て去っていないんですが、結果的には普通に普通の曲を演奏するのですみませんとだけ、先に言っておきます。
第5話 2回目のセッション(コマキ)

「それは違うよ!」
それは違うよおじさんの魂の叫びで幕を下ろしたはじめてのセッション。バンドに指揮者?何を言っているんだこの男は。本気なのか………どうやら本気らしい。
ここからゆうぽんとコマキの、すどんを説得する日々が始まるのだが、この話は少し置いておこう――
まだ本決まりではないが、課題曲は3曲決まった。だが、課題はまだまだ山積みだ。
そう、
ドラムがない…!!
初めてのセッションでは2人の演奏を見守ることしかできなかった。私もセッションしたい…そんな感情がフツフツと湧き上がった。
ネットで電子ドラムを購入した。組み立てるのに3時間かかった。学生の頃にバンドを組んでいた夫がいなければ組み立たずに終わっていただろう。
ドラムは手に入れた。しかし、
持ち運べない…!!!
初めてのセッションでリズムが大切なことを学んだ。ドラムはリズム。リズムは命。私が引っ張っていかなければ…!謎の使命感に駆られた。
せっかくドラムを手に入れたのにまたセッションに参加できないじゃないか。そんなの嫌だ。
ゆうぽんとすどんは今宵もセッションを繰り広げる。前回よりも少し形になっているようだ。
そして私はとりあえず、
ダンボールとペットボトルを叩くことにした。
意外とよかった。今後は、ドラムの代用品を探すことも課題になりそうだ。少しずつ確実に前には進んでいるだろう。だが、バンド名はどうするのか、そもそも歌いながら演奏できるのか…
そう、課題が山積みなのである。
この日のセッションもまた、課題を残したまま終わった――。
第6話 3回目のセッション(ゆうぽん)
この日は3回目のセッション。みんな、いつも通りの練習が始まるだろうと思っていたが、私ゆうぽんは違った。

前回のセッションから空くこと3週間。その間、私は考えた。
「こんなんでホントにバンド活動ができるのか……?」
そう。テキトーに始まってしまったこの企画について、今更ながらに一抹の不安が心をよぎっていたのだ。
何しろ、バンドの現状は「メトロノームを見たら負け」などとのたまうベース担当すどんと、ダンボールドラムを奏でるコマキ。そして、ギター担当の私。

この状況に誰も疑問を持っていない…もう私が言うしかない……そんな気持ちで、切り出したのだ。
「ボーカルどうすんの?」
ゆうぽん:「まずボーカル決めて、歌える範囲の曲から課題曲決めようや」
コマキ:「確かにボーカル大事やな……」
すどん:「ボーカルとかノリでいこ。本気出したら誰か歌ってくれるよ」
ゆうぽん・コマキ:「却下」
―――そして議論の末、「俺は目立ちたくないからベースを選んだんや!」のすどん。「まずドラムすら叩けへんのに歌いながら叩くとか絶対無理!」のコマキ。消去法で私ゆうぽんがギターボーカルをすることに決まった。
かくして、ベース・ラップ担当で暫定リーダーのすどん、ギター・ボーカル担当のゆうぽん、ドラム・コーラス担当のコマキというスリーピース編成のバンドが生まれたのであった。
しかし、バンド名も決まっていない。課題曲も決めきれていない。この日のセッションもまた、課題を残したまま終わった――

第7話 本当のセッション(すどん)

――たこ焼きを買っていた。
なぜたこ焼きを買っていたのかというと、この日は初めてスタジオを借りて練習を行うため、いつも練習場所である事務所から外に出ていたからだ。

前回のセッションの時から限界を感じていた。
アコギにベース、そして、

これがドラムという現実に。
そんな現実に打ち勝つため、我々は少しの労力でスタジオを借りることができた。事務所からすぐ近くの、たこ焼き屋さんの目の前にある地域の公民館的存在だ。
スタジオで早速演奏してみたところ、劇的な変化があった。

音楽を奏でていた。
「もしかしたらコレが本当のセッションなんじゃ……?」
そんな気持ちにさせるには十分のクオリティだった。


その日のセッションは終始上機嫌で過ごすことができた。一緒に1つのものを作り上げていくという、創作の中でも1人ではできないこと。そしてそれがハマった時のシナジー。
なんでも、初めての音合わせをした時の感動というのは忘れられないものらしい。それはこれまでのセッションではなく、今日この日のことを指すのではないかな、そう思った。

順調極まりないな、そう思っていたが、先延ばしにし続けた問題が改めて表面化してきた。
ここのスタジオを予約する時は団体名が必要らしい。
我々はまだバンド名を決めていない。
やはりここは僕すどんが考えた「ミュージックセンターしまむら」あたりがいいんじゃないか。もしくは「堅牢パンパース」とかはどうだろうか。服部平次をもじって「RE:HAT HEIZ」とかもいいだろう。
これらはまだ他の2人には提案していない。勝手に登録して既成事実化してしまうか――?
【小ネタ】未だにミュージックセンターしまむらは結構よかったなと思っています。2/3が島村楽器で楽器を買ってますからね!
第8話 久しぶりのセッション(コマキ)

年末年始でバタバタしていた我々は久々のセッションだった。スタジオでの練習はこれが2回目だったが、手慣れた様子で準備を始め音楽を奏でていた。

やはり1人では創り上げることができない、セッションで感じるこのグルーヴはたまらない。すどんもご満悦のご様子。みんなで合わすと音がずれてしまう問題も打開策を見つけ、次回のセッションへの期待がかかるそんな中、コマキがあることを言い出した。
「課題曲の1曲が難しすぎて、曲を変更したい。」
な、なんやて…!
せっかく練習したのに!?
「やってできなかったらその都度変更していこう!」
というゆうぽんの神がかったお言葉で、荒れそうになったこの場は丸くおさまった。新たな曲の候補も決まり、閉館の時間に。
やはりスタジオを利用する際は予約をしたいということで、登録することにした。そこで前回も問題になっていた団体名。決めないと登録ができない。
時間が迫りくる中、すどんが絞り出した団体名、それは
「鍵屋別館ドンタコス」
受付の方は「いつでも変更できますよ」と言ってくれた。ひとまずこれでスタジオの予約はできるようになった。
このままではいけないと思ったメンバー達は、コンビニで遅めの夜ご飯を食べながら団体名の議論を繰り広げるのであった――
第9話 ついにバンド名が…!(ゆうぽん)
この日は3回目のスタジオ練習。今回のトピックスはやはりドラム担当のコマキだろう。

今回のバンド企画をやるにあたり、最も初心者だったのがコマキだ。何しろ企画が始まるまではドラムに触ったことすらなかったのだ。

それが今や成長目覚ましく、心地よく軽快な低音を響かせている。リズム隊としてバンドに欠かせない存在だ。

そしてこの日は2曲目の課題曲も決まり、順調に練習が進んでいった。
しかし、ひとつだけ問題があった。前回のセッションの際も書いた通り、スタジオを利用する際の仮の団体名として我々は「鍵屋別館ドンタコス」と名乗ってしまっていたのだ。

「どうせ仮の団体名やし、なんでもいいやろう」なんて軽率に考えていたあの時の自分たちを殴りたい。
何しろこの仮団体名、あらゆるシーンで使う羽目になったのだ。問い合わせの際にはまず団体名を聞かれる。受付でも団体名を言う必要がある。その都度「鍵屋別館ドンタコスです」と名乗り続ける恥ずかしさ。もう一刻もはやく正式なバンド名を決めたい。
そう思い、コマキと相談した結果、リーダー・すどんにいくつかの候補を提案した。決定期限は次回のセッションまで…!
第10話 葛藤(すどん)

僕は悩んでいた。
バンド名についてじゃない。演奏についてだ。
どうにもこうにもベースが上達していない気がする。副業が忙しくて練習の時間を取れない。セッションの日だけ練習する、といったことを繰り返して1ヶ月以上経つ。

その間にも、全くの初心者だったコマキが僕を追い抜いていった。外から見ているともうステージに出れるんじゃないかと思うほどの上手さだから。

ゆうぽんは元々上手だ。ギターを弾きながら歌まで歌う。僕には無理だ。

そうして頭をよぎるのは、僕が足をひっぱってしまうのでは、という恐怖だ。自分だけ置いていかれてしまう。
これまでの人生で、チームスポーツは避けてきた。自分のミスが他人に迷惑をかけるのが嫌いだからだ。今まさに、避けてきたツケが回ってきた気がする。
とはいえ、僕ももう35になった。迷惑をかけるのが嫌いなら、かけないようにすればいい。ここで逃げる選択肢を取るのがこれまでの自分だったが、数年前に東京まで徒歩で行った経験が思いもよらぬところで思考に柔軟性を与える。
そう、ただ頑張ればいいんだよね。

頑張るのはいろんな方向性があるからって、とりあえず1曲だけボーカルに挑戦させてもらった。もちろん全くできなかったが、この挑戦が大事なんだよなって35歳は思う。
最近は5フレットくらいまでは左手を見なくてもベースをひけるようになってきた。大きな成長はなくとも、小さな進歩をモチベーションにして、今後もベースを練習していけたらな、と思う。逃げずに、ほどほどに頑張ろうかな、好きで始めたことだから。

そんなわけで、バンドロゴを作ったよ。
バンド名?2人に全く相談はしてないけど、これで決定でいいよね。
デブとコマキとゆうぽんでDecoポン酢。
【小ネタ】感動する話からの、勝手にロゴまで作る決めっぷりで、落差みたいなのを狙ったんですが、なんかあとから読むと妙に小っ恥ずかしいです。
第11話 ハプニング&初披露(コマキ)

突然のLINEだった。
すどんのベースが壊れたらしい。これは大変だ。そもそも単独ライブの話など知らなかったが、姉妹サイト・高槻つーしん編集部のリナティのために単独ライブをするつもりのようだ。
誰かに我々の演奏を披露するのは初めてのこと。そこでくちベースを披露するわけにもいかない。どうするのかと心配していたら
事務所で楽しそうに修理しているすどんがいた。
ゆうぽんに楽しそうに修理のことを話していた。なんとか直ったらしい。ひとまず安心だ。
そして、セッションの時間。
リナティが演奏を聞きにきてくれた。みんな少し緊張していた。なにせ人前で演奏を披露するのは初めてだから。
以前の練習中に発覚したのだが、すどんは人に見られると緊張してミスをしてしまうらしい。致命的だ。

そんなこんなでそれぞれが今のベストを尽くした。リナティはすごいと言ってくれた。まだまだ完璧ではないけど、嬉しかった。
すどんはというと、緊張はしたけどリナティには慣れたと言っていた。それではダメなんだ。
カメラを向けると目線を向けてくる余裕まで見せていた。
ただカメラ目線おじさんは、カメラ目線を向けた後必ずミスをしていた。それではダメなんだ、ダメなんだよ…!
リナティにも色々意見を聞きながら、3曲目の課題曲も決まり、この日はなかなか収穫のある1日になった。
リナティを我々のファン第1号として、会員番号0番に任命した。リナティはどう思っているかはわからないけど、勝手に任命した。

ただ、このままのペースだと目標にしている枚方・寝屋川まつりには確実に間に合わない。今後は練習の時間をもっと確保して、頑張らねば!と新たな気持ちで前を向いたDecoポン酢なのであった――。
【小ネタ】この日のリナティの顔、全部つまんなさそうでウケる
第12話 衝撃の事実(ゆうぽん)
今宵も我々Decoポン酢はスタジオ練習を繰り広げていた。

前回、話し合ったことがある。
我々は10月からバンド活動を本格化させた。それから課題曲こそ3曲決めたが、基本的にはずっと同じ1曲を練習し続けてきた。


その1曲が最近、やっとある程度形になりつつある。といってもまだまだ完成ではない。最低限納得いく演奏になるまで、あと2〜3ヶ月は練習が必要だろう。
そして、前述の通り「課題曲は3曲ある」……。
もうおわかりだろうか。
このペースでは、3曲完成するのに1年半以上かかるのだ。

1年半はさすがにかかりすぎだ。せめて2024年中にはなにかしら発表する場を設けたい。

我々3人で相談した結果、4月からは月に1度の「スーパー・セッション・デイ」を設けることが決まった―――。
第13話 ごめんよしげる(すどん)

この日の僕は絶好調だった。
現在我々Decoポン酢はいずれ来る祭のため、3曲を集中的に練習している。その全てにおいて、僕のベースは順調なのである。つまり…

この日の僕は絶好調だったのだ。
ほのかながら確かに感じる手応え、成長。
たまに「あれ…?30代で突然音楽活動に目覚めたこの3人なに…?」と思うこともあるのだけど、「何事も始めるのに遅いなんてことはない」そのように僕の指の成長が教えてくれている。
毎日練習とかしていないのに上手くなっている気がする。
つまりは、

この日の僕は絶好調だったのだ。
そんな絶好調な僕は考えていた。
このままでいいのか…?
僕の中のサブカルチャーしげるさんが囁いてくる。そう、僕はサブカルロキノン人間。現在我々が練習している曲はゴリゴリのJPOPだ。キングオブJPOPなんだ。
しげるは言う。
「ええんか?分かる人には分かる曲を演奏せんでええんか?the pillowsのFUNNY BUNNYとかやらんくてええんか?」
「バンド名、実はスピッツの『ミカンズのテーマ』にかけてるんやろ?それ演奏せなあかんのちゃうか?斜に構えて生きてきたんやろ?冷笑系になりきれへんのか?」
「銀杏BOYZは?GRAPEVINEは?ドレスコーズ?神聖かまってちゃん?syrup16g?ART-SCHOOL?メレンゲ?クリープハイ……「黙れよ!!説得が無理なんだよ!」」
「え?」
そう、僕以外のメンバーはロキノン?なにそれ人間。みんなが知ってる曲じゃないと駄目で、これまで説得は何度も失敗してきた。音楽性の違いで解散する時はこんな内情なんじゃないか?そんな気がした。

とはいえ僕はまだベース発展途上人間。ロクにひけもしないので、とりあえずは「あ〜このベースね。こうかな?」という感じで耳コピできるくらい上手くなったらもう一度ふたりに意見を物申そうと思う。
なおしげるはAI生成画像を使ったので安心してほしい。

ところがこの日のセッションは、そんなAIしげるとの対話も吹き飛ぶような出来事があった。ごめんよしげる。正直しげるの話なんてどうでもいいんだ。


「「え…!?バンド脱退…!?」」
第14話 フィクションみたいなノンフィクション(コマキ)

いつもと変わらないドラム越しに見る、ギターボーカルのゆうぽんとベースのすどん。気付けばバンドを始めて半年あまりの月日が経とうとしていた。
30代で今まで全くやったことがなかったドラムを始めた。まさかバンドを組むことになるなんて思いもしなかった。
少しは様になってきたなと感じたり、できていたことができなくなったり。それもまた楽しめている自分がいる。
最近はドラムスティックを買った。スティックを入れるケースも買った。道具も新調したことだし、また新たな気持ちで頑張っていこうと思っていた矢先の出来事だった。


「う、うそやん…!?」
うなだれる2人。そう、ドラム担当コマキ、
関東に引っ越します。
そんなうまいことハプニング起こる?フィクションじゃないの?と思う方もいるかもしれないが、これはまじな話なのである。
今までこんな風に張り合っていた2人を見ることもなくなるのか。私がいなくなったらバンドは解散なのか。なんだかセンチメンタルな気持ちにもなったが、話し合った結果、解散はしないことに決まった。ただ3人で音楽を奏でることができない。リモートセッション?難しいだろう。
「寝屋川まつりに出演するときは必ず戻ってくるよ…!」
戻ってこれなかったら映像での出演になるかもしれない。それはそれで面白いじゃないか。新しい形のバンドだよね。
ということでしばらくコマキはバンドを離れることになった。
残された2人はどうなるのか。そこに一筋の光が降り注ぐ――。
といったところで今回のまとめは終了です。続きは今週のひらかたで読めますが、もう少ししたらまたまとめますので、そちらをぜひぜひ。
冒頭に書いたとおり、我々は今大ピンチ!急遽ドラマーを募集しております。未経験でも可、経験者もぜひぜひ、男女問わず!!未経験なら一緒に練習、経験者なら2回くらい一緒に練習したいな、って感じです。10月4か5日、まだ日は決まっていないんですが、3〜4曲できたらな〜という想定。
そんなわけでみんなのドラマーの応募、まってます!質問だけでもOK!
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