
枚方からJリーグを目指すFCティアモ枚方。
2021年に昇格したので、今年でJFL5年目、二川孝広監督体制3年目になります。
過去最高成績を叩き出した昨シーズンの主力選手を含めた11名が残り、新加入選手が16名、合計27名で2025年のスタートです。

また、ヘッドコーチがオーストラリアAリーグ・メン(J1相当のリーグ)からきたベン・カーン氏に変わりました。
海外からの指導者は、FCティアモ枚方の歴史では、初めてではないでしょうか。
雪が降りそうな生駒市体育協会 高山S.C.グラウンドにて、阪南大学から新加入の小田奏選手・セレッソ大阪TM戦でゴールを決めた山口隆希選手・今年もキャプテンの阿部隼人選手、そして二川孝広監督、ベン・カーン ヘッドコーチにお話を聞いてきました。

小田 奏(おだ そう)選手

——元々はどちらの出身でした?
新潟です。大学が阪南大学なので、そこから大阪にきました。
———では、関西は5年目ということですね。新潟とは全然違いますよね。どんな違いを感じますか?
そうですね。気候も人柄も全然違います。
新潟は、人柄で言ったらちょっと優しいというか「のほほ〜ん」としているというか柔らかい感じです。
———なるほど。新潟というと美人が多いというイメージがありますね。
肌が綺麗な人が多いかもしれないです。
———では、サッカーのお話をお願いします。
FCティアモ枚方は、社会人チームになりますが、大学サッカーとの違いを感じますか?
違いを感じますね。
やっぱり、Jリーグを経験している選手もいたりして、大学生ではない「大人のサッカー」というところですね。
大学生なら勢い任せでいったり、やっちゃたりするのですが、試合やプレーの流れとかで、今は落ち着く時、今は行く時というメリハリがあるのと、技術とかで違いがある選手が結構いるなと思います。
ティアモがそういうサッカーをしているので、そう感じるのかも知れません。

———そういえば、先日セレッソ大阪とのトレーニングマッチでゴールを決めていましたよね。Jリーグ開幕戦の翌日でしたので、セレッソ大阪は試合に出ていなかった選手中心だったかと思いますが、実際に対戦してみてどうでしたか?
大学時代にJのチームと対戦することが、あまりなかったので「こんな感じなんだ」と思っていました。
———あの時は、トレーニングマッチといえど観客も入っていました。あの雰囲気の中で試合をしたのは、どうでしたか?
あの試合は、自分がプレーするのにいっぱいすぎて、観客とか気になっていなかったです。
もう少し周りも見渡せるような余裕があれば、自分のプレーももっと良くなるかと思います。

———ゴールも決めていましたが、自分の中では納得がいっていないのですね。これからの活躍が楽しみです。
では、FCティアモ枚方の中で「この人はすごいなぁ」と思った選手はいますか?
いっぱいいます!同じポジションの選手は、みんなです。
例えば、(芝本)蓮くんとか(後藤)卓磨くん、原ちゃんも含めて、みんな上手いです。
———確かに。その中でやっていけそうですか?
試合に出るために勝たないといけない、競争する相手なので、そこは「無理だな」と思ったら無理だと思うので、良いところを盗みつつという感じですね。
———では、自分のプレーのアピールポイントを教えてください。
これだという強みは、あんまり無いんですけど。
「この選手が出ていたら、チームが上手く回るな」とか一緒に試合に出ている選手に「コイツがいるからプレーしやすいな」と思ってもらえるのが1番嬉しいです。
外から見えることでは、ボールを何回も触って、チームに安定感だったり、リズムを持たせることが出来て、良い攻撃に繋がるようにするところですね。
今まで、あまりゴールをとるタイプではなかったのですけど、ポジションが1つ前になってゴールに近づいてプレーすることが多くなっているので、ゴールやアシストに繋がるところも見てもらいたいです。

———では最後に、今年の意気込みを聞かせてください。
チームとしては、昨年3位だったので、今年は優勝を目指していきたいです。
個人的には、1試合でも多く試合に出ることと、自分の実力をしっかり発揮して、ゴールやアシストでチームに貢献できるように頑張りたいと思います。
———ありがとうございました。

<小田 奏選手のプロフィール>
【名前】小田 奏(おだ そう)
【ポジション】MF
【生年月日】2002/9/18
【身長/体重】161cm/58kg
【出身地】新潟県
【サッカー歴】朝日サッカー少年団→アルビレックス新潟U-15 →アルビレックス新潟U-18 →阪南大学
*阪南大学時代に2024年度総理大臣杯で優勝
山口 隆希(やまぐち りゅうき)選手

———今日はよろしくお願いします。山口選手といえば、出身は九州でしたね。
大学は福岡大学で、出身は佐賀です。
———関西はどうですか?関西弁には慣れましたか?
関西弁は、違和感を感じます。僕は九州男児なので、染まらないようにしています。
———九州男児ですね。佐賀弁はどんな感じですか?聞いていて、分からないレベルですか?
佐賀弁は無茶苦茶ですね。「なんばしよっと」とかですね。

———佐賀弁、むっちゃ可愛いですね。
さて、FCティアモ枚方では、すでに3年目ですね。社会人として仕事をしながら、サッカーをするというのには慣れましたか?
僕は、結構気合いで一日一日やるタイプなので、みんなキツいのは一緒なので「キツい」とか言わずに「ただ一生懸命頑張る」ということを意識しています。
———昨年も一昨年も7点もゴールを取っていますね。
そうです。ですが、僕の中では物足りないです。
もっともっと、取りたいです。
2桁は取りたいと去年も思っていたので、7点は少ないなと自分は思っています。

———昨年撮影していて、ゴールに迫ってくるけど、結局取れずに悔しそうな顔をしている姿を良く見ていました。
そうですね。試合中は、点を取ることしか考えていません。
———そうなんですね。先日のセレッソ大阪とのトレーニングマッチでも点を決めていましたね。セレッソ大阪との対戦は、どうでしたか?
J1のチームだと、やはり強度が高いので、プレッシャーを感じて戸惑いました。
後半は、みんなで自信をもってやろうという話をして、チームとして統一出来たのでそれが上手くいったんだと思います。
———後半は、確かにイキイキとされていたように見えました。
新加入選手がたくさん入りましたが、チームの雰囲気はどうでしょうか。
新しく入ってきた選手たちは元気で話しやすいですし、雰囲気はすごく良いと思います。
———では、昨年7点では足りないとお話されていましたが、今年は何点取るのが目標ですか?
15点以上は、取りたいです。
———それは、楽しみです。
では最後に、今年の意気込みとファンへのメッセージをお願いします。
個人としての結果もそうですが、まずはチームとして去年を超えるような成績を出せるように勝ち続けたいです。なので、引き続き応援をよろしくお願いします。
———ありがとうございました。
<山口隆希選手のプロフィール>
【名前】山口 隆希(やまぐち りゅうき)
【ポジション】MF
【生年月日】2000/7/21
【身長/体重】164㎝/60kg
【出身地】佐賀県
【加入年度】2023年
【サッカー歴】サガン鳥栖U-15 → サガン鳥栖U-18 → 福岡大学 → FC ティアモ枚方
キャプテン 阿部 隼人(あべ はやと)選手

———FCティアモ枚方に入って、4年目になりますね。関西は、どうですか?
関西は、関東に比べて人が温かい感じがします。
———関西弁には、慣れましたか?
そうですね。僕がきた頃は、関西の選手がそんなにいなくて、違和感なくチームに馴染めました。でも、時の流れと共に慣れていった気がします。
———なるほど、そうなんですね。そういえば阿部選手は、昨年までひらかたパークでお仕事されていたと聞いています。
1年目はやはり、新しい経験だったので、楽しさもあり難しさもありというところです。2年目以降は、自分のやるべきことに慣れてきて、サッカーとの両立にも慣れてきたので、本当に充実していました。素晴らしい経験が出来たので良かったです。

———ひらかたパークでは、直接お客さんと触れ合うようなお仕事だったのですか?
そうです。
サッカー選手と両立しているということは、一般のお客さんにはあまり認知はされていなかったのですが、ティアモでサッカーをしていることをご存知の方が来てくださると嬉しかったです。
———ひらかたパークで阿部選手のおすすめの乗り物はありますか?
「オクトパスパニック」です。
座席とかがクルクル回るもので、大人の方が乗っても楽しいと思います。

———それでは、サッカーの話も聞かせてください。今年もキャプテンをされるのですね。
キャプテンになって3年目ですね?
キャプテンは、一昨年は途中からでしたので2年半になります。
———今年のチームはどうでしょうか?
そうですね、エネルギーをもった選手が入ってきたので、練習も活気があります。
また、やる気に満ちて、もっとやりたいというのを出している選手が多いので、良いチームになっていくのかなと思っています。

———新しい選手が沢山入りましたが、阿部選手の推しの選手はいますか?
そうですね、結構います。キャラが強いのは「長友陸翔(ながとも りくと)」「加藤史也(かとう ふみや)」「田畑麟(たはた りん)」です。みんな変わっていて、みんな良いです。

———長友選手は桃山学院大学、加藤選手は国士舘大学、田畑選手は神奈川大学からの新加入ですね。3人のどこが阿部選手の推しなのか一言ずつお願いします。
長友は、むっちゃ素直なんです。何に関しても素直なんです。
加藤は、声がデカくて雰囲気を気にせず、自分を出せていける選手ですね。
田畑は、エネルギーがあって、やってやろうという気持ちが前面に出ていて、それを周りに伝染させていけるタイプです。
———どんな選手かの説明を聞いただけで、すごく興味が湧きますね。

———では、最後に今年の意気込みとファンへのメッセージをお願いします。
今年は、もちろんJFL優勝を目指していきます。
また、昨年同様ファンの皆さんが見にきて楽しいと思える試合をして、チームとサポーターが一丸となって優勝を勝ち取りたいと思います。
なので、ぜひ全試合スタジアムに足を運んでもらって、応援をお願いします。
———ありがとうございました。
<阿部 隼人選手のプロフィール>
【名前】阿部 隼人(あべ はやと)
【ポジション】DF
【生年月日】1998/6/27
【身長/体重】166cm/64kg
【出身地】神奈川県
【加入年度】2022年
【サッカー歴】横浜F・マリノスJr.ユース追浜 → 横浜F・マリノスユース → 早稲田大学 → ザスパクサツ群馬 → FC ティアモ枚方

二川孝広監督とベン・カーン ヘッドコーチ

———まずは、ベン ヘッドコーチからお願いします。日本に来られてみてどうですか?
ベン)日本に来てすぐ働き始めたので、落ち着く時間がなかったのですが、最近やっと家族も慣れてきて楽しんでいます。
———南半球のオーストラリアから来られたから、日本は季節が正反対で寒い冬です。体調はいかがですか?
ベン)寒すぎますね。適応するのに1番難しいです。

———日本に来たら、何処か行きたいところとかありましたか?
ベン)そこを考える時間がなくて、今は試合に勝つことに集中しています。
でも、家族には雪を見せると約束していたので、先日やっと見せることが出来ました。
———入団の時のコメントに「日本のサッカーが好きで」と書かれていたのですが、日本のサッカーのどういったところに魅力を感じられているのですか?
ベン)オーストラリアでコーチをしている時に、何人も日本人選手をコーチした経験があります。
その中で、日本人選手のテクニックがあることに注目していました。私がやりたいサッカーの中に必要な要素が、テクニックをしっかり持っていることなので、そこを全員日本人のチームでやったらどうなるのだろうと思い日本に来ました。
テクニックがあるというのが、日本人の特徴だと思います。
あとは、サッカーの文化的なところですね。
オーストラリアでは、やはりラグビーとか他のスポーツが強く、サッカーは4番手ぐらいです。
ですが、日本はしっかりとカルチャーとして、文化としてサッカーが根付いている。そんなところでやってみたかったのです。

———なるほど、そうなのですね。ちなみに、二川監督のことはご存知でしたか?
ベン)日本のサッカー選手は、こちらに来るまで知らなかったですが、クラブと契約するときにしっかり調べました。二川監督の元でコーチをやれることは、光栄に思っています。
———では、FCティアモ枚方でどんなサッカーをしたいと考えていますか?
ベン)スタイルとしては、攻撃中も守備をしている時もしっかり自分たちでゲームを支配して、相手に何もやらせないことを目指しています。
また、今年のチームの目標として、リーグ優勝です。
もう一つ、天皇杯も良いところまでいきたいと考えています。
練習でやっていることが、試合でできれば、嬉しいですね。
———天皇杯に関しては、ほんとに楽しみにしています。
代わって、二川監督は、ベン ヘッドコーチをどう評価されていますか?
二川)トレーニングからスタイルを浸透させるように、しっかりと選手に伝えながら、やってくれていますので、頼りにしています。
また、私がサポート出来るところは、サポートしています。
———今年のチームは、すごく活気があるように見受けられましたが、監督としてはどのように感じられていますか?
二川)新加入選手に何人か盛り上げ役みたいのがいるので、今のところしっかり声も出してやれていると思います。

———では、二川監督、ベン ヘッドコーチともに推しの選手を教えてもらえますか?
二川)そうですね。阿部選手ですね。リーダーシップを持ってしっかりやってくれているので、期待しています。
ベン)同じく阿部選手です。彼のように経験値があって、リーダーシップを取ってくれる選手はなかなかいないので、チームにいてくれるのはありがたいです。
———では、対戦するのが楽しみなチームを教えてください。今まではHondaFCの名前を挙げていましたが、昨年対戦して勝利しています。なので、今年はどこのチームになりますか?
二川)どこも難しい相手ではありますし、難しいですが。
岩手県には行ったことがないので、「いわてグルージャ盛岡」ですね。盛岡冷麺を食べたいですね。

———とても気になっているのですが、二川監督とベン ヘッドコーチは、どのようにコミュニケーションを取っているのですか?
二川)通訳の松山くんが上手く橋渡ししてくれるので、すごく助かっています。
———ベン ヘッドコーチは、二川監督のことをどんな方だと思われていますか?
ベン)良い人ですが、ちょっと静かすぎるかな…(very very quiet…だけ聞き取れました)
———最後に、今年の目標は?
二川・ベン)もちろん、優勝です。

<ベン・カーン氏のプロフィール>
【名前】ベン・カーン
【生年月日】1988/2/28
【出身地】オーストラリア
【主な指導歴】
2016-2017 セントラルコーストマリナーズ(オーストラリア) 1stチームアシスタントコーチ
2018-2022 オリンピックFC(オーストラリア) ヘッドコーチ
2023 メルボルン・ナイツFC(オーストラリア) ヘッドコーチ
2023-2024 ブリスベン・ロアーFC(オーストラリア) アカデミーダイレクター
2024 ブリスベン・ロアーFC(オーストラリア) ヘッドコーチ
【主な受賞歴】
2020 NPL クイーンズランド最優秀監督賞
2023 NPL ビクトリア最優秀監督賞

インタビューを終えて

インタビューをするために生駒のグラウンドにお伺いし、練習をしばらく眺めていました。
トレーニングマッチのすぐ後ということもあり、軽めの運動量でしたが、とにかく皆さん明るい。
外から見ていると、今年の雰囲気はとても良さそうでした。
今年のFCティアモ枚方も、期待できそうですよ。
さて、2025年シーズンの開幕戦はホーム開催です。
ぜひ、現地で観戦してみてはいかがでしょうか。
*開幕戦情報*
日時:2025年3月9日(日)13時キックオフ
場所:たまゆら陸上競技場(枚方陸上競技場)
対戦相手:飛鳥FC
