TSUTAYAの増田氏に「枚方市駅前はどうすべき?」という質問も。「枚方ブランドキックオフシンポジウム」レポート

開催前に枚方つーしんでもお知らせしましたが、先日『枚方ブランドキックオフシンポジウム「枚方の魅力」を語る ~まちのブランド力って何だ?~』というイベントが行われたので僕も見に行ってきました。2時間半にわたり枚方の魅力を語るおもしろいシンポジウムだったので簡単にですがレポートします!場所は関西外国語大学。
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場内は満員でした。

基調講演は劇作家で大阪大学教授の平田オリザ氏。。鳩山内閣で内閣官房参与も務めたすごい人です。
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まずは日本全体での地域の現状について。
昔ながらの商店街がつぶれたりすることで近所づきあいが少なくなったとよく言われていますが、そういった人と人とのつながりが希薄になったことで、例えば社会的に一旦ドロップアウトしてしまった人がより孤立してしまい社会復帰しにくくなってしまいます。社会から外れた人が固定化されると治安に影響がでたり自殺も増えたりするし税金も払わないので良くない。
では以前なら地域コミュニティが担っていた「社会にとりこむ」役割を現代社会でどう構築するか。つまりホームレスと中学生が出会う(それによってホームレスを虐待死させるような事件を防ぐ)、女子高生と外国人労働者が出会う、障害者とシングルマザーが出会うような、普通の経済活動とは違うコミュニティを形成するにはどうするか。
それは図書館や演劇、音楽などの文化活動、スポーツの場を作ることによる「文化による社会包摂」ではないかという話でした。
ヨーロッパの劇場などではホームレスにシャワーを浴びてもらって演劇などを見せるという活動はよく行われていて、実際に平田氏が運営している劇場でも雇用保険受給者に対する大幅な割引をしているそうです。
単に「昔は良かった」というのではなくて、現代社会と折り合いのつくものを作らなければならないと強調されていたのが印象的でした。

つづいて地域ブランドについて。
フランス・ナント市や天神橋筋商店街にある「繁昌亭」、水都大阪2009、富良野市などを例にあげて、都市のブランドを確立しているところはどのような取り組みをしているのか、どのような経緯で地域ブランドを確立させたのかを紹介。逆に失敗したところも例に出し、成功した地域と何が違ったのかを比較されていました。

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結論としてはその土地に「文化の自己決定能力」があるかどうか。 成功した富良野と失敗した芦別(富良野の隣町で、条件的には富良野より有利だった)の違いは何か。富良野は自分たちでラベンダー畑に付加価値を見出しアピールしたのに対し、芦別はいろいろ都会のデベロッパーに任せてしまった。 自分の街の強みは何で、どういった付加価値をつければいいかを自分たちで考えられなければ、都会に文化的に収奪されてしまうという話でした。

平田氏による基調講演はここまで。

そして後半はそうそうたるメンバーによるパネルディスカッション。

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左から
・京阪電気鉄道(株)代表取締役CEO 佐藤茂雄氏
・農園 杉・五兵衛園主 の島五兵衛氏
・カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)代表取締役社長兼CEO 増田宗昭氏
・関西外国語大学理事長 谷本榮子氏
・枚方市長 竹内脩氏

平田オリザ氏がコーディネーター役で、各パネリストがスライドで自分の普段の活動を紹介しつつ枚方のいいところを語るという感じの進行でした。以下各氏が述べていたことを簡単に。

佐藤氏
枚方市は京都と大阪の中間にあってとても便利で、ハイキングコースもあってゴルフ場もあってひらかたパークもあって何が不満なのかわからないぐらいだが、強いて言えば恵まれすぎて顔が見えない。顔と言えるような個性的な商店街ができればブランド力向上になるのではないか。

の島氏
里山や農地で空気を浄化し食べ物をつくり都市で消費するという流れがある。
枚方は古い時代からの田舎と都市の部分を持ち合わせていて、そういった「都市を支えるための流れ」を途切れさせない持続可能な街であるためのシステムづくりができるということが強みになるのでは。

増田氏
(日本の人口構成を示して)高齢者が増えていることは明らか。お年寄りが楽しめる街である必要がある。「住む」、「学ぶ」、「仕事ができる」、「楽しいことができる」、「時間が使える」など街にはいろんな価値があるが、高齢者が「枚方にいればこんなに楽しい時間を過ごせる」というデザインができるかどうかが大事。

谷本氏
留学生は田舎で勉強できることを喜ぶ人が多い。地域の人とのコミュニケーションも増える。アクセスなど大学経営の観点でみればちょっと不便な部分もあるが、穂谷など枚方の里山は大変素晴らしいものなので残していかなければならない。

竹内氏
街の活力を持続させるためには人が楽しめる街でなければならないが、楽しめる要素をどれぐらい作れるか。
現在市民レベルで様々な文化活動が行われているが、それらの中からプロの高みにまで突き抜けるものを生み出すためには、最先端の文化活動に触れる機会をつくらなければならない。思い切った投資が必要だという思いを持っている。

平田氏
元気で金持ちな富裕層のお年寄りに住んでもらうにはどうすべきか考えなければならない。
またこれからは移民が増える。優秀な外国人に来てもらおうと思ったら、外国人への差別や偏見のない、外国人が住みやすい街にすべきであり、それはブランドになりうる。

最後に聴講者からの質問に答えるコーナーもありました。

増田氏への質問は「枚方市駅周辺が発展するため今後のまちづくりをどうすべきか。」というもので、どう答えるのかなとドキドキ。

増田氏の回答は、「従前の効率型の店舗と行政の作った施設がどうもみんなの感じに合っていないのではないか。駅前とはどうあるべきか、権利者が腹を割って一回話をしたらいいのでは。白紙ベースで考える時代に来ているのではないか。」というものでした。

僕は増田氏がほんとに枚方によくなってほしいと思っているから明確に「合っていない」と言い「白紙ベース」という言葉を出したんだと思いますが、市長はどう受け止めたでしょうか。時間がなかったので仕方なかったんですが、この直後に市長に話をふってほしかったなーと思いました。

あと、もうすぐ還暦を迎える増田氏は、「プレミアエイジ」と位置づけて呼んでいる団塊の世代に向けた“図書館”をイメージした新しいTSUTAYAを作る予定だそうです。
来年夏にオープンを目指しているとのことなのでもうすぐですね。本・音楽・映画を中心に、懐かしの作品やビンテージの貴重な作品をまるでライブラリーのように取り揃え、昔の雑誌とかまで読めるようにしたりするそうですよ。「枚方市駅前に空きがあったら入れてほしい(笑)」と冗談で言っていましたが、これがもし枚方にできたらかなり話題になりそうですね!

以上、2時間半あったので文章にしたのは一部ですが、枚方が今後どうあるべきか考えるヒントを与えてくれるシンポジウムだったのではないかなと思います。

あと増田氏が使用していたスライドに昔のTSUTAYAなどが出てきておもしろかったので別記事として後日アップしたいと思います!

便利なまとめ記事をどうぞ!



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