ふっきれたあの日からゴール量産ー後藤卓磨選手が語るFCティアモ枚方〜vol.2〜

枚方・寝屋川・交野を中心とした北河内地域からJリーグを目指すサッカークラブで2025年シーズン4位となった「FCティアモ枚方」

vol.2では、今シーズン19得点で、いわてグルージャ盛岡の藤本憲明選手と得点王を同時受賞、さらにFCティアモ枚方としては佐藤諒選手以来となるベストイレブンを獲得した後藤卓磨選手に焦点を当てました。

FCティアモ枚方の10番として挑んだ2025年シーズン。
どんな想いでこの1年を駆け抜けたのか、お聞きしました。

あの日から、景色が変わった——後藤卓磨の転機

2025.12.8@ホテルアゴーラ大阪守口

———今日はよろしくお願いします。
まずは、得点王、ベストイレブンの受賞おめでとうございます。
ところで、今シーズン昨年の背番号18番から10番に変わりましたね。
これは、希望されたのですか。

違います。
ほんまは17番がよかったんです。でもクラブから「10番でいこう」って言ってもらって。
「いや、ちょっと荷が重いです」と答えたんです。
でも、もう一回活躍するために、自分にプレッシャーをかけるという意味でも10番付けた方がいいんじゃないかと言われて。
「じゃあ、10番付けさせてもらいます」となったんです。

———サッカーにおいて、10番はやはり特別な番号のような気がします。

ティアモの10番は、僕の前が二川さんで、2シーズン空き番号だったんですよ。
二川さんが引退されてから、誰も付けていないので。

開幕の時、10番のユニフォームが用意されていたのをみて、やっぱ、10番なんやと改めて思いました。
それまで、なんか実感が湧いていなくて。

でも、開幕戦以降は、何も考えていなかったです。
別に10番つけてるから、とか何も思っていなかったです。
何番でもいいかなって。
気になっていなかったですね。

———そうなんですね。
では、シーズン初めは、どのように考えていたか、覚えていますか?

開幕からの7試合。
ちょっとね、なんかうまくいかなかったですね、自分の中でも。
去年とは、違うポジションやったり、やり方が違ったりで。

自由にプレーしたい気持ちと、チームの戦術との間にギャップを感じていました。それを自分なりに解釈して、プレーが噛み合わなかったんです。

でも、今思ったら、自由にやってよかったなって思いますし、そこに縛られてて自分の良さを出せていなかったんですけど。

フォワードをやりたかったんですけど、この7試合は僕のシャドーのポジションに2人置いていたり、あとサイドハーフに回されたりして。
そこでも、自分の良さを出さなあかんのですけど、なんか違和感があって、やりづらさがあって、自分の良さが出せていなかったです。

転機となった第8節ブリオベッカ浦安・市川戦のスターティングイレブン

第8節(ブリオベッカ浦安・市川戦)の時に、やっとフォワード、自分が一番やりやすいポジションで出させてもらって、自由にやれている感覚が、この時からあります。

あとはまあ、実はある方から説教してもらって。
この前日に尻を叩かれて、そこからですね。
「ほんまに、やらなあかんな」ってなりました。
「これ笑ってるけど、ガチやな、明日ほんまにやらな自分終わるな」と思って。
そんなこともあって、ほんまに命かけて頑張った結果、1ゴール2アシスト。

この試合1ゴール2アシストの後藤選手

———大活躍でしたね。

それがなかったら、おそらく得点王にはなれていなかったでしょうし、どうなっていたのかと思います。

———そこから、ふっきれた感じですか?

そうですね。
この辺から1点でも、1アシストでもいいし、何でもいいから結果残さんと、ノッていけないと思っていました。
ブリオベッカ浦安・市川戦で、絶対アシストでも、ゴールでも、取ってやろうって気持ちでやっていました。
前半始まって、3分とかで、たまたまアシストして。
そこから気持ちが、だいぶ楽になって、ノッていけました。

———じゃあ、今シーズンの中で一番覚えているゴールなんですね。
あと他にあげるとしたら、どの試合ですか?

自分的には、第20節レイラック滋賀戦の1点とかですね。
試合としては負けてましたけど。(結果は1-3)
結構この試合が(勝ち点が)離されるか、縮めるかの大事な一戦で、
優勝を目指したほんまに大事な試合やって。
去年とかもそうなんですけど、強い相手になったら点が取れない、大事な試合で、結果を残せないっていうのが、自分の中での課題だったんです。


この試合、1点先制されて、結構相手ペースの中で、一発自分の良さを出して一瞬で同点に追いつけたんです。
まあ、宮崎(樹)のパスも良かったんですけど、緊迫した中で一瞬の隙をついて取れたゴールで、それも同点ゴールやって、結構大事な得点、チームとして大事な得点やったんです。
そういう試合でも「結果が残せた」というのが、自分の中では結構大きかったです。

まあ、結果として負けたんですけど。
そこで2,3点取って自分のおかげで勝てたりしたら、もっと大きな自信になったんですけどね。

———二川さんも言っていました。第20節レイラック滋賀戦、ここで勝ててたら、違った結果だったなって。
では、19得点をとって今シーズン得点王になったわけですが、どの試合から得点王を意識されましたか?

いわてグルージャ盛岡戦でも意識していたんですけど、次の節でまた、藤本選手が取って、やっぱ無理かもって思い始めて。
でも、Y.S.C.C.横浜でハットトリックしてもう一回意識して。

———Y.S.C.C.横浜戦後のインタビューで、もしかしたらというお話をおっしゃっていました。あと、2試合で2点ずつ取ったら、(得点王)いけるんじゃないですかと話しましたね。

ほんまに取りました。

———さすがです。最終節のハットトリックはどうでしたか。

チームのみんなのおかげです。みんなが(僕に)得点を取れるように、ボールを回してくれて。
前の試合、沖縄SV戦の時からなんですけど、ずっと僕のことをみんな見てくれて、パス出してくれて。
沖縄SV戦もハットトリックできたんですけど、あそこでできなかったのが、悔しいですね。今になって。
あそこ(沖縄戦)でハットトリックしてたら、単独でしたしね。

とにかく、みんなのおかげですね。
みんなが僕のことを見てくれて、探してくれて、パスを出してくれて。

———後藤選手、FCティアモ枚方は2年目ですよね。
このチームは、自分に合ったチームだったということですか。

チームスタイルもそうですし、チームメイトも結構自分のフィーリングが合う選手が多いので、やっていて楽しいですし、自分が一番生きるチームスタイルなので、自分に合ってると思います。うん。

———最終節の前は、どんなことを考えていたのですか。

まず1点。
1点取ったらハットトリックできるなと思っていて。

ハットトリック絶対せなあかんって中で、まず先制1点目。
1点決めるのが大事かな。それも前半で

思った通りに1点取れて、やってて気持ちよかったんです。

———これが最終節というのが、名残惜しかったのではないですか。もう1試合ぐらいしたかったのでは。

まだまだ、やりたかったんですよ。
今やったら、何点でも取れそうなんで。

———来シーズンは、また違うメンバーになっていくだろうし、皆さんバラバラになっていくかもしれないですしね。
そういったことを考えると、このチームで戦えたことは、すごく幸せですね。

そうですね。
去年と今年で、サッカー人生の中で味わえる嬉しさというのを初めて経験したような自分の感情なので、すごく充実した2年間だったなと思います。

引退した時に、サッカー人生を振り返るなら、自分の中では1番良かったなって思えるような2年間でした。

———では、最後に、ファンやサポーターの方に向けてのコメントをお願いします。

ティアモのサポーターの方は熱いですし、優しいです。
みなさん距離が近いというか、近所の知り合いぐらいの距離感で
選手とファンの距離が近いというか。


すごくなんか、なんていうんですかね、居心地がいいというか。
応援もしてくれるし、ダメだしも言ってくれる方もいるので。
あと、あの子めっちゃいいよなって 僕に言ってきてくれたりして。
もう、さらけだして言ってくれるから、すごくファン対応とかも、普通に喋ってるだけで楽しかったです。


その中で、みんな毎週応援しに来てくれてるので。
J3に今は上がれないですけど、その中でも僕らのサッカーを見るのがやっぱり楽しくて来てくれていると思うので、すごくやっているこっち側からしたら、ありがたいです。


そのために、「頑張ろう!」という気持ちにもなれます。

つまり、FCティアモ枚方のファン・サポーターは、すごくいいファン・サポーターです。
いい選手がいっぱいいるので、これからも応援してください。

———本日は、ありがとうございました。

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質問一つひとつに真摯に答えてくれた後藤選手。

2026年シーズンはJ3奈良クラブへ期限付き移籍 が決定し、FC ティアモ枚方での活躍が見られないのは残念ですが来シーズンJリーグの舞台でさらなる活躍が楽しみです。

<後藤卓磨選手>
1997年7月16日生まれ。
徳島ヴォルティスユースから関西国際大学、FC徳島、カマタマーレ讃岐、2024年からFCティアモ枚方に加入。

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